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事務局員の独り言 銃の所持に向けて(6)

上を下への大騒ぎ(2016/2/27)

(散弾銃のセレクタについて)

前回、銃の安全装置についてお話ししました。

安全装置にもいろいろあります。

用心金の中の引き金のそばにあるものや、

機関部の上方についているものなど様々です。

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この写真の中で安全装置のスイッチが

別の機構のスイッチを兼ねているものがあります。

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ん? スイッチの位置がずれている...。

気がついたあなた、察しがいいですね。

実は、この二つの銃のスイッチは、

安全装置とセレクタを兼ねています。

セレクタとは、散弾を発射する順序を

切り替えるためのスイッチです。

散弾銃には銃身が一つのものと二つのものがあります。

銃身が三つのものもあります。

銃の中には、引き金が二つついているものもあります。

うそじゃないですよ。

銃身が一つの散弾銃には、単身スライド式、

単身ボルト式、単身自動式などがあります。

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銃身が二つの散弾銃には、上下二連式、

水平二連式などがあります。

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上下二連銃は、銃身が上下に一つずつついています。

水平二連銃は、銃身が左右に一つずつついています。

二連銃などで、最初に撃つ散弾を初矢(しょや)と言います。

初夜ではありません、念のため。

次に撃つ散弾を二の矢(にのや)と言います。

銃の時代になっても矢と呼ぶところが

飛び道具のおもしろいところですね。

上下二連銃では、通常は、下筒(したつつ)が初矢、

上筒(うえつつ)が二の矢となっています。

水平二連銃では、通常は、右筒が初矢、左筒が二の矢となっています。

この初矢と二の矢の発砲順序を切り替える役目をするのがセレクタです。

すべての二連銃にセレクタがついているわけではありません。

また、中には、上筒が初矢で固定の上下二連銃もあったようです。

射撃教習においては、実包は一発ずつしか装填しませんから、

あなたが指導員の指示もなく、セレクタを動かしていなければ問題はありません。

もし、セレクタを誤って動かしてしまったら?

散弾実包は下筒に装填します。射座で装填し、

薬室を閉鎖して、射撃姿勢を取って、コールして...。

「?あれ?」

ほら、助けを求めて振り向いてはいけませんよ。

銃口をまっすぐ前に向けたまま、ゆっくり10秒数えてください。

それから、「ダッポー」です。

誤ってセレクタを動かしたのか、不発なのか、遅発なのか、

それはあなたにしかわからないことです。

あなたがわからなければ、後ろにいる指導員にわかるはずがありません。

まずは、ゆっくり10秒数えることです。

二連銃の中には、薬室を閉鎖すると必ず安全装置がかかる銃もあるようです。

まわりの人には、安全かかったか、不発か、遅発か、わかりません。

まずは、10秒数えてください。

単身スライド式、単身自動式などでは、実包装填時に薬室閉鎖不全防止のため、

勢いよく機関部の閉鎖をするように言われます。

写真の銃では、機関部閉鎖のためのスイッチは引き金の前側についています。

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銃の扱いに不慣れだと、引き金に指がかかったまま、

実包を装填してしまうこともあるでしょう。

どうなるか?

装填と同時に「ドカンッ」です。

実包装填時に、銃口をどこに向けるか?

射撃場では安土(あづち)のある水平正面方向に銃口を向けて、

狩猟場では柔らかい地面に向けて銃口を向けて、

銃床を自分の腹の正面に当てて装填します。

狩猟場であっても堅い石や岩に向けて装填はしません。

散弾が跳ね返る跳弾(ちょうだん)が起きて危険だからです。

自分の腹の正面に当てるのは、装填と同時の暴発時に銃を押さえるためです。

さて、先の「ドカンッ」では、当然大騒ぎになりますよね。

下の地面はめくれあがるし、当人は気が動転してるし。

周りからは、「ダッポー」コールで、当人はますます動揺が激しくなります。

「暴発か?」「撃針不良じゃないか?」「Oリングが割れてないか?」

周りが勝手なことを言い出します。

当人が銃を分解してみると、金属のOリングとゴムのOリングが一つずつ。

「Oリングが足りないじゃないか。」と周り。

「あー、そうか、だからか。」と当人。

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実は、その銃のOリングは、二つが正解。

人の銃に、知ったかぶりをすることはやめましょうね。

こんなときは、速やかに、銃砲店の指示を仰ぎましょう。

因みに、Oリングの装填時には、

順序と上向きと下向きを間違えないように。

それこそ、上を下への大騒ぎになります。

また、ゴムのOリングのひび割れやちぎれにも注意しましょうね。

自動銃の場合の回転不良の原因にもなります。

因みに回転不良とは、自動銃で空薬莢が排莢されないことを言います。

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回転不良の原因には、古い自動銃で散弾重量が

28グラム未満の実包を装填発砲した場合にも起こります。

教習射撃では上下二連銃を使うことが多いですから、

24グラムで大丈夫でしたが、古い自動銃を購入された方は、

28グラム以上の散弾実包を購入しましょう。

また、銃口を上に向けての実包装填は絶対にしませんから、念のため。

(この話はフィクションです。実在の人物にどんなに似ていても、それはあなたの気のせいです。)

さて、次回は「裸の銃を持つ男」をお送りします。

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